結婚式でのお母様の装いといえば、以前は黒留袖が定番でした。しかし最近では、洋装の正礼装であるマザードレスを選ぶお母様が増えています。その背景には、以下のような理由があります。
1、着替えが簡単で、準備が楽
黒留袖を着るには、着付けの準備が必要で、時間も費用もかかります。一方、マザードレスは一人で簡単に着替えられ、着付けの予約や費用も不要です。また式が終わった後の着替えも、どっと疲れが出てきた頃に長襦袢と着物に帯まで畳まなければいけません。特に遠方での結婚式や、朝早くからの準備が必要な場合、またサポートが必要なご家族がいらっしゃる場合、負担が少なくて済みます。
2、動きやすく、快適に過ごせる
和装は動きにくく、長時間の着用はお手洗いなどが大変です。また会場はドレス参列の設定温度。和装下着→補正タオル→長襦袢→着物→帯 冬場でもお腹まわりは汗が出てしまいます。マザードレスは軽くて動きやすく、涼しく快適に過ごせます。
3、会場やご夫婦でのバランス
最近の結婚式では、お父様はモーニング、新郎新婦が洋装(ドレスとタキシード)を選ぶことが多く、式場もチャペルやホテルの洋風の会場が主流です。その中で、お母様だけが和装、日常的にもう着物を着ない私たち世代には不自然なバランスに見えてしまいます。マザードレスは自然に溶け込み、統一感のある雰囲気を演出できます。
4、選ぶ楽しみ、着る楽しみ
黒留袖は生地や柄を選ぶぐらいになってしまいますが、マザードレスは、様々なデザインがあり、ドレス選ぶこと自体が楽しみのひとつです。お母様の多くは、結婚式以来のドレス選びという方がほとんどで、目をキラキラさせながら楽しんでいらっしゃいます。毎回フィッテングのカーテンを開けるたびに、着る機会のなかったドレスに自然と笑顔がこぼれます。また憧れのドレスを着る日を楽しみに、日々の生活にも新たな目標が生まれたとおしゃる方も多くいらっしゃいます。
私はお母様のこれまでの歩みや頑張りがあったからこそ、お子様はこの日を迎えられるのだと、私はいつも感じています。だからこそ、結婚式という特別な日には、お母様にも『主役のひとり』として、今度は自分自身のためにドレスを選び、装いを楽しみ、心からの笑顔でその日を迎えていただきたいと思っています。
この日は誰かのためではなく、ご自身のこれまでをねぎらって、未来への一歩を踏み出すご褒美の日でもあります。
どうか、自分らしく、誇らしく、そして晴れやかな笑顔でその日を迎えられますように♡
コメント